経営が破綻した県住宅供給公社問題で臨時県議会が2004年2月9日開かれました。  日本共産党の中田晋介議員が質問に立ち、でたらめな公社経営の実態を明らかにし、  その事業計画を毎年承認してきた知事の責任を追及しました。
  中田議員の質問と知事、副知事の答弁の大要をお知らせします。
 
[質問・中田議員]
 住宅供給公社経営の問題点について質問致します。
  第一に、一昨年から販売が開始されている「諫早西部団地・第一工区」は、昨年3月末現在で保有している宅地202戸についてみると、用地取得費が6億9千6百万円、造成費が19億5百万円、利息が9億1千1百万円、諸経費2億5千万円で、つくるのに合計37億6千3百万円かかっているのに、時価による評価は20億7千5百万円しかないことが明らかになりました。現におこなわれている団地事業で、時価ならば宅地を全部売っても、16億8千8百万円の大赤字になるという評価です。
  長崎市の「パークタウンたちばな」も、33億円の費用で207戸の宅地を造成したが、収入は22億円で10億円の赤字。
  長崎市泉町につくった高級マンション「アクアヴェール泉町」120戸も造成費45億円にたいして収入は36億円で9億円の赤字です。
  いずれの事業を見ても収支がつぐなえない大赤字という、普通では考えられないような放漫経営であり、見通しを誤ったということではすみません。
  地方住宅供給公社法・第27条では、地方公社は「毎事業年度、事業計画および資金計画を作成し、事業年度開始前に、都道府県知事の承認を受けなければならない」となっています。このようないずれも大赤字の事業計画に知事は毎年承認を与えてきたのか。そのとき、これらの問題点はわからなかったのか。その責任についてどう考えるのか質問致します。
 
[答弁・辻原副知事]
 「アクアヴェール泉町」については、早く処理しなければならないということで、平成14年度決算に赤字で計上し係数的にも大変であることが把握できたのでございます。
  (肝心の「諫早西部団地・第一工区」の赤字問題、毎年公社の事業計画を承認してきた知事の責任問題については、知事も副知事も答えることができず、答弁不能の状況です)
 
[質問・中田]
   第二に、住宅供給公社の事業経営にあたった理事長は、設立時の佐藤知事、久保知事いらい、歴代、県の幹部または退職者が知事によって任命されてきました。辻原副知事までの最近10人の理事長の任期を見てみると、5年、3年、2年が一人づついますが、あとは1年11か月、1年2か月と短く、11か月、10か月、7か月、6か月、2か月と1年以下が5人という短期の交替が相次いでいます。こんな腰かけでは責任ある経営ができるはずがありません。こうした知事の理事長任命が、責任の所在も不明な今日の事態を招いたのではありませんか。質問します。

[答弁・金子知事]
 理事長の交替について期間が短かったことについては、結果論から見たら確かに責任体制があいまいになったということは、ご指摘のとおりです。今後は誰が責任を取るのか、その所在がはっきりする形で公社の運営をやっていきます。

 [質問・中田]
  理事長の短期交替は金子知事になってからも、2か月、6か月、7か月、1年とあります。こんな腰掛け的なことでまともな経営ができるはずがありません。任命した知事の責任は重大です。
  第三に、公社がつくった「中期経営計画書」では、その経営者責任については「現在の経営困難な状況をもたらした種々の事業は、過年度に事業化されたものであり、すでに当時の理事等は退任している。現在の理事は現体制のまま本再建計画の推進に取り組む」とされていて何らかの形で経営者責任を取ろうとする姿勢は全くありません。
  そして、金融機関には債務の51%の免除、県には29億9千万円の債務免除を要請しています。過去から現在までの理事の重大な経営責任はなんら問うことなく、県民に莫大な負担を負わせようという公社のやり方を、知事はそのまま認めるべきではありません。知事の対応を質問致します。

  [答弁・辻原副知事]
 公社の「中期経営計画書」は銀行協会の企業再生のガイドラインに項目がありまして、普通の会社と同じ書き方ができません。経営者が単に退陣すればいいという問題ではありません。経営の責任につきましては、これから明らかにしながら、県民の皆様、県議会の評価をあおぎたいと考えております。

 [質問・中田]
 公社の「中期経営計画書」は、辻原副知事が理事長の時につくって、知事が承認したものです。こんなものを認めたんじゃ知事はなんの責任追及もしないということになるじゃありませんか。知事が承認を取り消して責任追及はするといってもらいたい。
 
[答弁・金子知事]
 計画そのものは、これがベターという考えで調停をお願いしており、そういった形で取り組んでいきたい。
公社理事長の任期が2ヶ月、6ヶ月、7ヶ月…
あまりに無責任な腰掛け人事などを厳しく追及 
 日本共産党の中田晋介県議
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