2004年1月16日(金)「しんぶん赤旗」
日本共産党大会三日目の十五日、各地の豊かな実践をふくむ多彩な発言が相次ぎました。ベテラン党員のユーモアが爆笑をよんだり、青年のひたむきな発言で感動の涙をさそうなど、拍手また拍手の討論が繰り広げられました。
入党一年という長崎県多良見町議の中野太陽さん(26)。「二十五歳のとき入党と町議選への立候補の要請を同時にうけました」というと、「えー」とざわつく会場。
迷いながらも、アメリカの大学時代にみた同世代の海外の青年たちが自分たちの国の未来のために勉強している姿に思いをはせ、「青年たちが政治に関心をもつきっかけとなればと、入党と立候補を決意しました」に拍手がひびきました。
多くの若者たちと力をあわせた選挙戦での勝利を報告したうえで、青年の役割を強調しました。
中野さんはハンセン病患者を家で看病したり、中国人強制労働者を隠しとおした家系の両親のもと、「差別のない平和な社会を目指しなさい」といわれて育ちました。
ところが、中学のとき社会科で「資本主義は努力すればもうかる能力主義で、共産主義は自由のない抑圧された社会」と教えられました。共産主義は平等な社会と考えていた中野さんは教師に食ってかかりましたが、「君の考えは理想論だ」と反論され、「無力感が残った」と中野さん。
このとき反論できなかった問題に「綱領の未来社会論はきちんと答えてくれている」と胸を張って発言。
その教師が去年、町議選のさ中に現れこういいました。「三年間の君しか知らないが、いまでもあのことを覚えている。…」
教師の言葉を紹介する中野さんの声は涙でつまります。「がんばれっ」という会場からの声援も涙声です。教師はこういいました。「理想論だといったことを今後悔している。差別のない平等で平和な世界をつくろうとしている君を信じて、いつまでも応援するよ。立派になったね」
「認めてもらうことがこれほどうれしいものなのかと実感しました」と、また声をつまらせました。
万雷の拍手に包まれる会場。ハンカチを目にあてる人、目頭をぬぐう姿があちこちに。
「いま住民の笑顔が私を動かしています。真に自由、平等で差別や貧富のない平和な世界をつくれるのは日本共産党しかありません。党綱領を正しく理解し、参院選勝利のためにみなさんともに前進しましょう」。中野さんの凛(りん)とした声がひびき、演壇からおりても拍手が続きました。