「しんぶん赤旗」2024/10/29

タイからの留学生が長崎被災協で被爆講和を聞く

 タイからの留学生16人(高校生)が、原爆の実相と核廃絶の必要性を学ぼうと28日、長崎市の長崎原爆被災者協議会(被災協)を訪れ、田中重光会長らから被爆体験を聞きました。

 冒頭、田中さんは、日本の侵略戦争の歴史にふれ、「1人の日本人としてみなさんに謝罪したい」とのべ、その上で被災協前会長の谷口稜曄(すみてる)さんの、背中が真っ赤に焼けただれた写真を示し、その壮絶な体験を語りました。医師や看護師から「生きていることが不思議」だと言われたことなどを話すと、学生たちは真剣な眼差しで聞いていました。

 講和終了後、学生から「ガザやウクライナの問題もあり、核兵器が使われるかもしれないとの懸念はあるか」との質問があり、田中さんは「ロシアもイスラエルも核を使うぞと威嚇している。ロシアは戦略核の演習もしており、核兵器使用の危険性は高まっていると思う」と答えました。

 さらに田中さんは「核兵器廃絶は被爆者だけでなく世界の市民一人ひとりの課題。特に若い人たちが核兵器をなくす運動にぜひ参加してほしい」と呼びかけました。

 バンコクからの留学生のブーヤダ・センマニー(16)さんは「戦争は絶対してはいけないしなんの利益ももたらさない。何か私たちの世代でできることをやっていきたいとずっと思っている。絶対に核兵器はなくすべきだ」と述べました。