総局日誌▽被団協ノーベル平和賞、世界は変えられると教えてくれる被爆者

　１０月１１日夕、自宅に帰るなり飛び込んできた「被団協がノーベル平和賞を受賞。夜８時から緊急の記者会見」とのビッグニュース。夕飯も取らず被災協事務所へ車を走らせました。

メディアの記者であふれる会見場では、横山照子副会長が、柿田富美枝事務局長と「良かったねー。これからも頑張れるね。もう年だなんて言えないよ」と満面の笑顔で抱き合い喜び合っていました。そのそばで田中重光会長は涙をそっとぬぐっていました。

　２０２１年の核兵器禁止条約発効、今回のノーベル平和賞受賞と、被爆者の喜びの涙を目の前で取材してきました。そこにはいつも、差別や偏見に苦しみながらも核兵器廃絶を世界に訴え続けてきた先輩たちへの感謝と深い尊敬の念がありました。

　世界は変わる、変えられるんだと私に教えてくれる被爆者たち。被爆者の願いは、政府が核兵器禁止条約に参加し核兵器廃絶の先頭に立つこと。次に変わるべきは日本政府です。

（長崎県・前川美穂）