「しんぶん赤旗」2024/2/3

被爆80年に向け松谷英子さんの動画投稿

 長崎原爆被災者協議会が1月30日に来年の被爆80年に向けたプロジェクトとして公開した被爆者のメッセージ動画の第1弾は、「長崎原爆松谷訴訟」をたたかった松谷英子さんです。英語の字幕を付け、ユーチューブとSNSに公開された動画の内容を紹介します。

 松谷さんは3歳の時、爆心地から2・45`の自宅で被爆。爆風で飛んできた屋根瓦が頭を直撃し、右半身不随となりました。

 国に原爆症の認定を申請しましたが却下され、1988年に却下処分の取り消しを求め、国を提訴。全国に支援の輪が広がり、2000年に最高裁で勝訴が確定しました。

 動画は、ユーチューブで2分38秒、SNS(TikTokやInstagram)では1分ほどの短いものですが、松谷さんは「もし、原爆に遭ってなかったら結婚し子どもも生まれてもっと明るい生活をしていたのではないか。世界のどこの国の人にもこの苦しみを味あわせたくない」と思いを語っています。

 SNSへの投稿は、長崎の大学生が中心となって設立した平和団体「MICHISHIRUBE」のメンバーが担当。「私たちが学んだことを海外の若い世代に届けていきたい」と語っています。

 長崎被災協では来年8月9日までに、合わせて80人の被爆者の動画を公開する予定で、メッセージを発信したい被爆者を募集。さらに、活動への支援募金やボランティアも募集しています。