「しんぶん赤旗」2024/9/26

被爆体験者訴訟控訴を受け県保険医協会抗議声明

 長崎の被爆体験者訴訟で原告15人に被爆者健康手帳の交付を命じた長崎地裁判決に対し、岸田文雄首相が控訴すると表明し、県と長崎市が福岡高裁に控訴したことを受け、長崎県保険医協会(本田孝也会長)は24日、抗議声明を発表しました。

 声明は、岸田首相が8月9日に被爆体験者と初めて面談し「政府として早急に課題を合理的に解決できるよう具体的な対応策を調整するよう指示する」と明言したことに対し、控訴すれば、解決は遠い未来に先延ばしになると指摘。「合理的解決とは被爆体験者を被爆者と認める事以外にない」と訴えています。

 県議会、市議会での控訴断念を求める意見書採択や県保険医協会が取り組んだ「被爆体験者に速やかに被爆者健康手帳の交付を」の署名約2万8千人分など、「それら全てに背を向けて控訴した」と厳しく批判しています。