「しんぶん赤旗」2024/12/4


ノーベル平和賞授賞式に持参へ
長崎被災協 被爆者ら手作り 

 ノルウェーのオスロで開催されるノーベル平和賞の授賞式に出席する長崎原爆被災者協議会の田中重光会長と横山照子副会長が、現地で出会った人たちに渡すリーフレットが刷り上がり、被災協事務所で2日、最後の仕上げを行いました。

 この日、被爆者やボランティアなどが集まり、A2判カラーのリーフレットを折り畳み、開いたら折り鶴が出てくるように所定の場所に鶴を貼り付けていきました。600部が完成し、300部をオスロで配布します 

 リーフには被爆者の福田須磨子さんの詩や、渡辺千恵子さん、谷口稜曄(すみてる)さん、山口仙二さん(すべて故人)の演説などが英語で記され、谷口さんの真っ赤に焼けただれた背中の写真、被爆直後の浦上天主堂や黒焦げとなった少年の写真なども掲載されています。 

 折り鶴は、市内の「恵の丘長崎原爆ホーム」をはじめ、大阪や東京の被爆者からも届き、合計963羽となりました。リーフに貼り切れない折り鶴は、首飾りにして現地に持参します。

 横山さんはリーフレットについて、「長崎の被爆の状況や被爆者が何を語ってきたのかをみなさんに知っていただきたいと考えた」と述べ、被爆者が「核廃絶のためにみんな力を合わせてください」と願って折った鶴と一緒に参加したいと語りました。

 丁寧に作業をしていた被爆者の女性(88)は「これを持っていくみなさんは大変だと思うが、心を込めて鶴をつけました」と笑顔で話しました。