「しんぶん赤旗」2024/8/1

被爆体験者に被爆者健康手帳の交付を求める署名提出

 国が定めた地域外で被爆したために被爆者と認められていない「被爆体験者」3団体と長崎県保険医協会の本田孝也会長は31日、7月から同会が取り組んでいる「被爆体験者」への被爆者健康手帳の交付を国などに求める署名第1次分6317人分を鈴木史朗長崎市長に提出しました。

 現在署名は提出分と合わせて約8千人分集まっており、8月末まで取り組みます。

 本田会長は「(広島黒い雨訴訟の高裁判決により)広島では被爆者健康手帳がもらえたのに、長崎ではもらえないというのは被爆体験者にとってはどうしても納得できない。こういう現状を今年の夏でなんとかしてほしい」と訴えました。

 9月9日に判決を迎える、被爆体験者に被爆者健康手帳交付を求める訴訟の岩永千代子原告団長(88)は「広島高裁判決は黒い雨に打たれようが打たれまいが内部被爆を否定できなければ足りるとしている。その観点に立って私たちを救済してほしい」と強く求めました。

 多長被爆体験者協議会の山内武会長(81)は「被爆者援護法があるのだから、これを国が絶対に守るよう市が国と話し合ってほしい」とのべ、「長崎被爆地域拡大協議会」の池山道夫会長(82)は「体験者は平均年齢84歳。これ以上引き延ばすことはむごいことだ」とのべました。

 署名を受け取った鈴木市長は「高齢化する体験者の一刻も早い救済は喫緊の課題。署名に込められた思いをしっかり受け止めて力を尽くしたい」と語りました。