「しんぶん赤旗」2024/9/22

「私たちは被爆者」 原告団が会見

 長崎の「被爆体験者」訴訟で、原告の一部を被爆者と認めた長崎地裁の判決を巡り、政府が21日、控訴する方針を表明したことを受け、訴訟原告団や支援者は同日、長崎市で記者会見を開きました。 

 原告団長の岩永千代子さん(88)は「私たちはお金が欲しいわけではない。国の医療費の拡充策などいりません。結構です。あまりにも不合理で人権を無視している。被爆者に対しての国、県、市の考え方が間違っている」と憤りの声を上げました。

 同じく原告団長の山内武さん(81)は「また差別をしやがる」と怒りをぶつけ、「被爆体験者も被爆者だ。12キロ圏内にいて放射能の影響を受けるようなところにいた。これだけで被爆者じゃないんでしょうか」と訴えました。

 国の表明を受け、長崎市と県は控訴を決めました。岩永さんは「勝訴した人たちの中には91歳の人もいる。家族にがんだとか白血病が多い。そんな人を控訴するなんて本当に不可解。なんて言っていいかわからない」と不信感をあらわにし、山内さんは「知事と市長は、私たちの再三の申し入れを無視して、控訴に持ち込んでしまった。とにかく腹立たしい」と語りました。

 今回、勝訴した原告の女性は「勝訴の判決を認めてもらいたい」と声を振り絞りました。

 原告団は29人の敗訴を不服として控訴する方針です。