「しんぶん赤旗」2023/9/12

「核ごみ」から対馬を守ろう文献調査反対で集会

 長崎県の離島・対馬で、高レベル放射性廃棄物「核のごみ」の最終処分場の文献調査受け入れに反対する市民の集会が10日、同市内で500人超の参加で開かれました。

 同市議会の特別委員会では8月16日、受け入れ促進の請願が9対7で採択され、反対する請願は不採択に。12日の本会議で議決が狙われています。

 「核のごみと対馬を考える会」の上原正行代表は「議会の暴走を止めるために皆さんと一緒に反対を声高らかにあげたい」と訴えました。受け入れに反対する市議らが登壇し会場から大きな声援が送られました。

 漁業者や地域住民の代表が発言。同市ひき縄漁業連絡協議会の西川征二会長は、「漁民にとって死活問題だ」と力を込め、福島第1原発の汚染水(アルプス処理水)放出での風評被害の拡大にふれて漁業や観光業への大きな影響を強調。「『核のごみ』の島をつくるのではなく、自然豊かな対馬を守ろう」と呼びかけました。

 原子力資料情報室の高野聡氏が、文献調査を受け入れた北海道・寿都(すっつ)町の町民の声を紹介し、地域に分断を持ち込むNUMO(原子力発電環境整備機構)を批判しました。