「しんぶん赤旗」2023/8/29

諫早市で“宝の海”の再生を考える市民連絡会発足集会

 有明海の再生に向けて話し合い、行動する「“宝の海”の再生を考える市民連絡会(宝の海市民連)」の発足集会が26日、長崎県諫早市で開かれ、高校生から80代まで約150人が参加しました。

 宝の海市民連は、「ウナギとともに生きる豊かな未来を」を合言葉に、かつては、有明海や諫早湾の河川や干潟にたくさんいたウナギの生息地の保全・回復を目指し、自然とともに豊かな地域社会を創造し持続させていくことを目標にしています。まずは、諫早湾の排水門開放を議論することから始めたいとしています。

 3月に『有明海のウナギは語る 食と生態系の未来』を出版した久保正敏・国立民族学博物館名誉教授と佐賀県の写真家・中尾勘悟さんが特別講演。久保さんは、水辺生態系の指標である「ニホンウナギが減るということは、水辺の環境が悪くなっているということ。環境悪化を食い止めていくヒントが有明海のウナギにある。若い人たちに考えてもらい、有明海の再生につなげてほしい」と訴えました。

 環境問題の専門家やジャーナリスト、市民ら共同呼びかけ人によるオンラインを併用したパネルディスカッションも実施。ジャーナリストの野中ともよさんが「誰のためかといえば、次に続く命のため。大きな変化は小さな変化からしか始まらない。諫早で小さな変化を始めませんか」と呼びかけました。