「しんぶん赤旗」2023/8/8

原水爆禁止世界大会・長崎 開会総会

 「被爆者とともに、核兵器のない平和で公正な世界を―人類と地球の未来のために」をテーマに、原水爆禁止2023年世界大会・長崎の開会総会が7日、長崎市内で開かれました。世界の市民や政府代表、被爆者、反核平和団体の代表らが集まり、核なき世界の実現に向けた取り組みを報告。核兵器禁止条約を力に、核兵器廃絶に向けて連帯を広げようと呼びかけました。

 主催者報告で冨田宏治国際会議宣言起草委員長は、核兵器の完全廃絶は人類の死活にかかわる緊急課題だと述べ、ヒロシマ・ナガサキの悲劇を繰り返させない唯一絶対の保証だと指摘。各国政府に核兵器禁止条約への参加を迫る運動を強化しようと呼びかけました。

 日本原水爆被害者団体協議会の田中重光代表委員は、4歳10カ月で被爆した体験を語り、「核戦争は人類を滅亡させます。滅亡から人類を救う唯一の道は核廃絶しかありません」と述べました。

 オーストリアのアレクサンダー・クメント欧州国際関係省軍縮軍備管理不拡散局長・大使は、「核抑止力」論の危険性を指摘し、「禁止条約は建設的で重要な国際法であり、万人の共通の安全保障への投資だ」と強調しました。

 11月の核兵器禁止条約第2回締約国会議の議長国のメキシコからサウル・サンブラーノ駐日メキシコ臨時代理大使が、「禁止条約の普遍性を強めるために、多くの国の署名と批准が求められる」と語りました。

 鈴木史朗長崎市長があいさつしました。

 原水爆禁止日本協議会の土田弥生事務局次長が、ウィーンで開かれていた核不拡散条約(NPT)再検討会議準備委員会について報告しました。

 台風6号の影響で、8日の分科会は午前中に短縮し、9日に予定していたナガサキデー集会・閉会総会は8日午後に変更すると発表しました。