「しんぶん赤旗」2023/6/4

長崎市選管がトランスジェンダー当事者への人権侵害で回答

 日本民主青年同盟長崎県委員会の同盟員で、トランスジェンダーの女性が、4月の統一地方選で投票所スタッフから人権侵害を受けたとして改善を求めていた問題で、長崎市選挙管理委員会は2日、マニュアルの見直しや事前研修の内容を充実させるなどの対策を行っていくと回答しました。

 改善を求めていたのは同盟員で戸籍上は男性ですが性自認は女性の吉村ゆうさん(22)。期日前の投票所でスタッフから意に反して大声で戸籍上の性別と名前を読み上げられるなど、いわゆる「アウティング」行為を受けました。同県委員会は市選管に改善を求め申し入れをしていました。

 応対した市選管の桂祥事務局長は、不快な思いをさせてしまったとのべ、「本人確認では、他都市の事例などを参考に、個人情報に配慮した手法を検討し、性別などの個人情報が第三者に洩れないよう見直しを図っていきたい」と語りました。

 同席した日本共産党の中西敦信市議は「『アウティング』という行為を引き起こしてしまった点について、『不快な思いをさせてしまった』の言葉だけではなく、人権侵害だと重く受け止め対応するべきだ」と指摘しました。

 回答を受けた後、吉村さんは「今回、謝罪がなかったことは残念」だとのべ、「当事者や専門家の意見をよく聞いて取り入れてほしい」と話しました。