「しんぶん赤旗」2023/2/3

「協和商工」過労自死訴訟結審

 長崎県佐世保市の食品卸売会社「協和商工」に勤務していた男性(当時25歳)が自死したのは過重な業務が原因だとして、遺族が同社に対し謝罪と損害賠償を求めた訴訟の最終弁論が3日、長崎地裁(古川大吾裁判長 )であり結審しました。判決は3月27日。

 男性は2014年に入社。商品の納入や営業活動などに従事していましたが、極度の長時間労働により精神障害を発症し、17年に自死。19年に労災認定されています。

 最終弁論で原告代理人の白神優理子弁護士は、本訴訟で同社の支店長や直属の上司であった課長の証言などから、男性の時間外労働時間は月平均約160時間。最も多い月は216時間にものぼっていたことが明らかになったと指摘。それに加え、達成困難なノルマを押し付けられ強いストレスを受けるなど、違法状態が横行する劣悪な職場環境により自死に追い込まれたと主張しました。

 会社側弁護士は、これらの客観的な証拠を無視して、男性の自死は過重労働が原因ではないと強弁しました。

「協和商工過労自死裁判を支援する会」は結審の前に「公正な判決を求める」署名685人分を地裁に提出。結審後の報告集会で男性の母親は「息子同様、若い人が道具のように使われ悲惨な目に遭っている。それに歯止めをかけるような判決を望んでいます」と語りました。