「しんぶん赤旗」2023/12/20

長崎原水協が環境問題の学習会

 原水爆禁止長崎県協議会は、プロダイバーで環境活動家の武本匡弘さんを迎え、「気候危機と平和の危機―海から見る地球―」と題した講演会を16日、長崎市内で開きました。約30人が参加しました。

40年以上海と向き合ってきた武本さんは、海の環境悪化に危機感を感じるなか、ヨットで太平洋を航海した様子を紹介。南太平洋の島サモアでは、海の中がほとんど瓦礫となり魚は取れず、島の人たちは自給自足ができなくなっていたと述べました。太平洋の多くの島では現金が必要となり、島の若者たちが米国の軍隊に入隊している実態を告発しました。

 武本さんは、CO2をほとんど出していない国が大きなリスクを負うという「国家間の不正義」があると指摘。「誰かを犠牲にしていることに無自覚な加害者になりたくない」という「気候正義」の視座で見ることの必要性を説き、さらに、「気候変動は未来を生きる若者たちへの人権侵害だ」と強調しました。

ロシアのウクライナ侵略やイスラエルのガザ攻撃、沖縄・辺野古新基地建設などにふれ「全ての軍事行動は環境を破壊し、地球汚染につながる」と訴えました。

 講演後、諫早市でごみを出さないオーガニックの食材店を経営する門田玲奈さん(31)が発言。出店の経緯を語り、「お店を通して環境問題を知ってもらえたらと活動している」と話しました。