「しんぶん赤旗」2023/5/18

長崎IR、公金差し止め訴訟

 長崎県と佐世保市が進めるカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致のためのコンサルタント委託費を巡り、約1憶1千万円の支出は違法だとして、市民団体が大石賢吾知事に対し、差し止めを求めた訴訟の第2回口頭弁論が16日、長崎地裁(松永晋介裁判長)でありました。

 原告は「ストップ・カジノ!長崎県民ネットワーク」の有志8人。 原告の今井一成弁護士は、県は昨年秋までは融資予定金融機関を一切明らかにせず、出資予定企業に至っては、そのほとんどが現在も公表されていないと指摘。国が定める認定要件である、資金調達の確実性を判断するための「コミットメントレター」(融資確約書)を提出するよう求めました。

 今井氏は、4月に長崎IR計画が継続審査となったことにふれ「長崎の計画にすぐに認定を出すことができない問題があることは明らかだ」と主張しました。

 同ネット幹事で原告の山下優子さんは「県民の不幸を前提にしたカジノを最大の収益基盤とする計画は、県の財政を将来にわたって危機に陥れる」と訴えました。

 県は「コミットメントレター」の提出を拒んでおり、弁論後の報告集会で今井氏は「不確実な『コミットメントレター』によって計画が進められ、ムダな税金が使われることはあってはならない」と語りました。