「しんぶん赤旗」2023/7/26

石木ダム工事強行 住民が監視強める

 長崎県と佐世保市が川棚町に建設を強行する石木ダム事業では、それまで任意取得した土地のみで工事を進めてきた県が、3月以降、地元住民が耕作を続けてきた田畑に土砂を投入するなど、強制収用した土地で次々と工事を強行しています。住民らは座り込み用テントを2カ所から3カ所に増やし、26日も抗議と監視行動を行いました。

反対運動のシンボルの団結小屋の裏手では、ボーリング調査の準備も進んでいます。

 これに対し、石丸勇さんの田んぼ横の作業小屋は監視小屋になり、厳しい暑さの中、地元住民3人が座り込んでいました。石丸さんの田んぼは県によって水路が破壊されたため水が張れず、今年は雑草が生い茂ったままです。

話し合いの場を持ちたいと言っていた大石賢吾知事からは全く音沙汰はなく、住民の炭谷猛さん(72)は「工事をやめて話し合いをしようと言ったのに、それを守らず新たに工事を始めた」と憤り、「あれはパフォーマンスか」とあきれ顔です。

 付け替え道路工事現場付近のテントで座り込みをする川原房枝さん(82)も田んぼに土砂を入れられました。「田植えの準備をしようと思っていた矢先に」と肩を落とします。「義母たちがこの土地で一生懸命米を作ってきたのに、私たちの代になって作れないのは申し訳ない」と顔を曇らせました。しかし、「まだ諦めてはいません。今年は間に合わないけど、また草刈りをしようと思う」と語りました。

 この日、地元住民を支援しようと「民主長崎県政をつくる会」のメンバー6人が工事現場を訪れ、ともに座り込みをしました。