「しんぶん赤旗」2023/5/25

石木ダムを巡り反対住民が県に抗議

 長崎県と佐世保市が川棚町に建設を強行する石木ダムを巡り、反対住民と支援者約20人が23日、県庁を訪れ強制収用した土地で工事を強行しているとして「行政代執行の手続きが必要なのに違法行為だ」と抗議しました。県の土木部幹部が応対しました。

 県は3月に住民たちが稲作を続けてきた耕作地に、何の予告もなく土砂を搬入し用水路も破壊。住民は稲作ができなくなっています。さらに5月には、耕作地に植えられ、住民たちが大切に育ててきた桜の木を伐採するなど強権的に工事を進めています。

 住民の炭谷猛さん(72)は「(大石賢吾)知事がそこまでやるのなら、行政代執行の手続きをしなくても工事がすすめられることになる」と批判。「県はひとかけらも誠意がなく非人道的だ」と憤りました。

同じく住民の石丸勇さん(74)は「水をためて田植えの準備をするところだったが、用水路はめちゃくちゃにされた」と写真を示し抗議しました。

 さらに県は、13世帯の住民には耕作放棄を求める文書を送付していますが、13世帯の住民以外に「石木ダム建設絶対反対同盟」に所属し、強制収用された土地で耕作を続けている人や、任意買収に応じながら耕作している人には同様の文書は送付していません。住民は「差別ではないか。法的根拠がないのなら、私たちへの文書送付もやめるべきだ」と訴えました。