「しんぶん赤旗」2023/8/24

石木ダム工事力ずく住民の抗議活動を妨害

 長崎県と佐世保市が川棚町に建設を強行する石木ダム事業に伴う県道の付け替え道路の工事現場では、住民の抗議活動を妨害するなど県の工事強行がエスカレートしています。23日、「民主長崎県政をつくる会」のメンバーは、座り込み現場に駆け付けました。

 21日夕方、住民らが帰った後の工事現場で、抗議の座り込みに使っている大型テントを無理に移動し、2トンはある土のうをクレーン車で多数搬入。さらに、テント前の通路をふさぎ、高さ約7メートルのすり鉢状の土塁を築きました。

 付け替え道路工事は住民らが座り込んでいる約140メートルの区間で工事が進んでいません。付け替え道路を完成させないと本体工事に取り掛かれないため県は躍起になっています。

 22日朝、異常に気付いた住民はテントを元の位置に戻しましたが、巨大な土のうは移動できず、テントの中にいくつも置かれたまま。また、土塁のせいで風が通らなくなり、大型扇風機の設置を余儀なくされました。 

 日本共産党の辻清人川棚町議は「別の座り込みテントでは、入り口にロードローラーを置き去りにし、抗議する住民が車で入れないようにしている。9月の川棚町議会でも問いただしたい」と憤っています。

 連日、座り込みに参加する「石木川まもり隊」の松本美智恵代表は「県は力ずくで諦めさせようとしているのだろうが、そう簡単には諦めない。長い間たたかい続けてきたその意志の強さを示したい」と語りました。

 住民の岩本宏之さん(78)は「嫌がらせばかりで腹が立つが、頑張るしかない」と力を込めました。