「しんぶん赤旗」2023/11/11

県保険医協会「マイナ保険証」の
顔認証付きカードリーダー実態調査

 長崎県保険医協会(本田孝也会長)は2日、長崎市内でマイナンバーカードを健康保険証として利用する「マイナ保険証」の顔認証付きカードリーダーに関する実態調査の結果を発表しました。「顔認証付きカードリーダーで、顔認証できなかったことがある」との回答が62%(209機関)に上ったと明らかにしました。

 調査は、同協会の医科、歯科の1418医療機関を対象に10月13日から30日まで実施。337医療機関が回答したもの。

 政府は保険証を本人以外が使用して不正受診する、なりすましを防止するために顔認証を導入したとしていますが、「従来の保険証でなりすましによる不正受診を経験した」との回答はわずか5・3%(18人)。家族、知人の保険証で不正受診した人がほとんどで、マイナ保険証では暗証番号を教えてもらえば顔認証せずに使用でき、本田氏は「なりすましは簡単にできる。なぜ1千億円もかけて顔認証をやるのか」と批判しました。

 今回の調査とは別に、本田氏が院長を務める医療機関で、75歳以上の100人に顔認証付きカードリーダーを利用してもらったところ、不可能という人が18人、援助が必要な人が28人で合わせて約半数になったと報告。「高齢者にとってハードルは高い。政府は来年秋の保険証廃止で突き進んでいるが、このままでは混乱が起きる」と訴えました。