「しんぶん赤旗」2023/5/24

長崎被災協学習会

 長崎原爆被災者協議会は20日、同協議会の横山照子副会長を講師に「被爆者援護の歴史 国家補償を求めて」をテーマに長崎市内で学習会を行いました。約40人が参加しました。

 横山さんは日本被団協が、原爆投下の惨害を引き起こす原因をつくったのは国である―など三つの理由で、国家補償に基づく被爆者援護を求めて続けてきた運動の歴史について語りました。

 政府は「戦争による被害を国民はがまん(受忍)するのが当然」という考え方を大前提にしていると指摘。「戦傷病者戦没者遺族等援護法によって軍人には手厚い援護を行なっていることと比べればよくわかる。国民に対する責任を忘れている」と憤りました。

東京で開催された「原爆被爆者援護法案のための要求骨子」(1973年発表)の作成会議に参加し、「なぜ私たちはこれを求めるのか、目の前が開けたようだった。金が目的だけではない。私たちの命をかけられる運動なのだと確信が持てた」と述べ、「国家補償にすると核兵器を容認できなくなる。国家補償と核兵器廃絶は一体のものだ」と強調しました。

 横山さんは、援護法制定を求めて被爆者たちが厚生労働省前にテントを張った5日間の座り込みについて「みんな留置場に入れられてもやるのだと決意。熱気に満ちた取り組みだった」と振り返りました。