「しんぶん赤旗」2023/11/28

被災協が学習会

 長崎県原爆被災者協議会が企画する学習会「被爆者のあゆみを学ぼう」が25日、長崎市で開かれ、長崎県被爆教職員の会の山川剛さん(87)が「抵抗と創造の平和教育」と題して講演しました。

 被爆から16年後に小学校教師となった山川さんは、1970年に「被爆教師の会」などが子どもたちに行った原爆意識調査で、「誰から原爆の話を聞くか」との問いに「先生」と答えた子どもの数が一番少なかったことに非常にショックを受けたと語りました。

 「教師が沈黙していた」との思いから「被爆教師の会」に入り、子どもたちに被爆体験を伝えようと、教師の手引書として『原爆をどう教えるか』などの書籍を仲間とともに刊行。教育の土台である平和教育に力を尽くしてきた半生を語りました。

 71年には4年生の社会科副読本から原爆被害の記述が消されるということが起こりました。山川さんたちは、教師や子どもたちが学ぶための『ナガサキの原爆読本』を刊行し、初版の購読数は6万6千冊に上りました。

 99年にオランダのハーグで開かれた「平和アピール市民会議」に参加した伊藤一長・長崎市長(当時)は帰国後、「平和に関する教育」の見直しに言及。「長崎を平和学習の拠点にする」とその年の平和宣言で述べたことを、意義あることだったと評価しました。