「しんぶん赤旗」2023/9/26

非核の政府を求める長崎県民の会総会

 非核の政府を求める長崎県民の会は22日、長崎市内で第36回定期総会を開きました。総会に先立ち、元長崎新聞論説委員長の高橋信雄氏が「国家と被爆者」と題し講演しました。

 1902年に「東洋日の出新聞」を長崎で創刊した鈴木天眼についての著書がある高橋氏は「国民あっての国家である」との思想のもと、軍国主義に反対し続けた天眼の生きざまを現在の日本の状況に引き寄せ語りました。

被爆者問題について話をすすめた高橋氏は、米国が原爆投下後、放射線被害を隠ぺいし、原爆報道を完全に禁止したことにふれ、「米ソ冷戦で緊迫する中、核戦争の危機が迫っているように米国では思われていた。残留放射線の被害がないようにし、核戦争に米国民を動員する狙いがあった」と指摘しました。

被爆者を放置、援護を放棄し、米国に一度として抗議しなかった日本政府を「救える命を救わなかった犯罪的行為」と批判。原爆被害の隠ぺいを図った米国に付き従った実態を告発しました。

残留放射能を認めず、被爆者の存在自体を抹殺しようとする政府に対し、被爆者たちが起こした裁判の意義と運動の成果について詳しく示し、「たたかいは続く。78年間の運動の成果をみんなで共有し、頑張っていきたい」と力を込めました。