「しんぶん赤旗」2023/11/22

「長崎被爆地域拡大協議会」が市に要請

 国の指定地域外で原爆被害に遭い、被爆者と認められていない「被爆体験者」でつくる「長崎被爆地域拡大協議会」(池山道夫会長)のメンバーら9人は20日、長崎市役所で鈴木史朗市長に宛てた、「すべての原爆被害者に被爆者健康手帳交付等を求める要請書」を提出し、早期実現のために国に強く働きかけるよう求めました。

 要請では、厚労省の「被爆者認定指針」は、広島「黒い雨」被害者には疾病を認定の条件にし、長崎の被爆体験者に対しては適用除外としたことは断じて許されないと訴え、7項目を要望しています。

 山本誠一事務局長は、4月から被爆体験者事業が一部見直され、県外に居住する「被爆体験者」も医療費助成の対象となったが、千人以上いる対象者のうち16人しか受給者証を所持していないと指摘。「何のための制度改正か。国の責任で、対象者には無条件で受給者証を即刻、交付するよう求めてほしい」と訴えました。

 さらに、米国のABCC(原爆傷害調査委員会)が実施した広島、長崎での残留放射線調査に関連する資料の開示なども要請。原爆被爆対策部の阿波村功一次長は、県、市が「国の責任で調査を」と要望し、現地調査も含め実施することが決まったと明らかにしました。

 池山会長は「被爆体験者の平均年齢は84歳。長崎の被爆地域拡大を認めるよう、これまで以上の努力をお願いしたい」と語りました。