「しんぶん赤旗」2023/11/18

土曜人とき西本一朗さん(81)

 長崎県と佐世保市が川棚町に建設を強行している石木ダム事業。今年の6月から毎週金曜日の朝、長崎市内の自宅近くの国道沿いで「石木ダムNO」と書かれたプラカードを掲げ、1人で1時間スタンディングをしています。11月10日で30回目になりました。

 車の助手席から大声で「応援しています」と激励する人、何も言わずにペットボトルのお茶を差し入れてくれる人。時には一緒に立ってくれる友人もいます。

 毎週月曜の県庁前でのスタンディングにも参加。その仲間からの要請で始めました。最初はかなり勇気がいったといいますが、「運動は一定広がってきているものの『まだできることがある』と決意しました」

 治水でも利水でも必要のないダムに、地元住民たちは立ち退きを拒み、抗議の座り込みをしながら里山での暮らしを続けています。「農村が廃れていくなか、農業を営み、自然の中で暮らしている人たちの生存権が奪われるのが本当に許せない。これを認めたらなんもかんも権利がはく奪される」と憤ります。

 半袖と短パン姿がトレードマークです。「できるだけこの格好で続けたいと思います。目立つし、突っ張りたいんです」と笑いつつ、「現地に座っているという気持ちで、思いを共有したい」。この冬もがんばる決意です。