「しんぶん赤旗」2023/1/28

土曜人とき 長崎県勤労者山岳連盟役員 塩田幸助さん(86)

 無類の山好きです。三菱重工長崎造船所に入社した18歳の時から登山に熱中。国内の南・北アルプスをはじめ海外の山々にも挑戦し、ヒマラヤには15回、エベレスト、アンナプルナ連峰にも。シルクロードの奥地も旅し、玄奘三蔵(三蔵法師)が歩いたルートをたどりました。

 子どもの頃から絵を描くのが好きでしたが「山一筋で絵を描く暇もなかった」と、退職後の60歳、「日頃ふれ合っている自然を表現したい」と水彩画を始めました。絵画教室「みずえ会」に入会。めきめきと上達し、2年後には県展に初入選。2005年には県勤労者美術展で大臣賞を受賞しました。

 昨年10月、138点を収めた初めての画集を出版。山や旅で出会った風景を中心に構成されています。表紙を飾っているのは林の中へと続く1本の道を描いた「我が道」です。

職場の労働組合(全造船機械三菱長船分会)では、会社や第2組合からの差別や弾圧とたたかってきました。「団結してお互いに切磋琢磨しながら、会社の理不尽なやり方に強い姿勢で臨んでいた。そういう組合から学ぶことが多かった」と当時を振り返ります。

登山も続けています。それと同じくらい「絵を描くことが楽しくて仕方ない。次は木曽川や梓川。流れる川の水面の表情を絵にしたい」と目を輝かせます。