「しんぶん赤旗」2022/

長崎県諫早市のボランティア団体
点訳友の会「ムッツゴロ」の要望が実現

 発足から30年になる長崎県諫早市のボランティア団体「点訳友の会『ムッツゴロ』」(会員29人)は、諫早市の委託を受け、市の広報などを視覚障害者のために点字にして伝える活動をしています。このほど、かねてから諫早市に要望していた新しい「点字プリンター」が市立図書館に設置され、同会会員らは喜びの声をあげています。

 取材した日は、諫早市の広報と一緒に届ける新聞記事の印刷をしていました。点訳データをパソコンから転送すると、プリンターから点字が打たれた白い紙が大きな音を立てて出てきます。

 同会の西村砂知会長は「古いプリンターより簡単に使え、印刷のスピードも速くなりました。使い慣れていない人でも扱いやすく助かっています」といいます。

 「ムッツゴロ」が届けているのは、同市の広報、諫早市視覚障害者協会だより、FM諫早の番組表などの点訳。その内、FMの番組表や視覚障害者協会だよりなどは、パソコンで専用のソフトを使い点字を入力したうえで「点字プリンター」にデータを転送します。

 また、市の広報などは、点字タイプライターを使い点訳し、手紙をそえて市内の22人の視覚障害者に送付しています。

 これまで、図書館に設置されていたプリンターは老朽化しており、同会は、急な故障などに備えてほしいと要望していました。市は「すぐには難しい」と回答していましたが、今年2月、全額市の負担で新品のプリンターが設置されました。

 西村会長は「みんな安心して活動ができると喜んでいます。今後、市から点訳物の依頼が増える可能性もあり、より早く、より多くとの依頼にも応えられます」と嬉しそうに語りました。