「しんぶん赤旗」2022/10/30

国連軍縮週間に合わせ長崎市で「市民大行進」

国連軍縮週間に呼応して原爆犠牲者を追悼し、世界平和を訴える「市民大行進」が29日、長崎市の爆心地付近一帯でありました。今年51回目で「世界平和祈念行事実行委員会」(会長=田上富久市長)の主催。

 小学生や被爆者など約700人が参加。平和祈念像前(平和公園)から爆心地公園まで、鳩やハートの形の風船を手に歩きました。

 平和公園での出発式で田上市長は「ロシアが核の使用を繰り返しほのめかすなか、核兵器は絶対使ってはいけないとの思いを発信しながら歩きたい」とあいさつしました。核兵器禁止条約を批准しているジャマイカのショーナ・ケイ・リチャーズ駐日大使が参加しました。

 爆心地公園に到着後、原爆がさく裂した11時2分、全員で黙とうし、澄みきった青空にいっせいに風船を飛ばしました。

 今年は、市立岩屋中学校の生徒たちが「市民大行進宣言」を作成。「過去の歴史に学び、威嚇や暴力ではなく対話によって高めあえる社会、お互いの違いを認め合い尊重しあう民主的な社会を築くことを目指します」との宣言文を同校生徒が読み上げました。

 参加した長崎被災協の田中重光会長(82)は「核兵器使用の危機が現実的になってきたことに怒りが湧いてくる。核をなくさないと未来はないと世界の人々に訴えていきたい」と語りました。