「しんぶん赤旗」2022/11/9

「協和商工」過労死訴訟

 長崎県佐世保市の食品卸売会社「協和商工」に勤務していた男性=当時(25)=が自殺(2017年)したのは過重な業務が原因だとして、遺族が同社に対し謝罪と損害賠償を求め、提訴した裁判の第12回口頭弁論が1日、長崎地裁(古川大吾裁判長)でありました。

 古川裁判長は遺族側が申請した、男性の職場の元同僚と元上司などの尋問を認めました。会社側は「遺族以外の証人は必要ない」と不誠実な主張をしましたが認められませんでした。会社側証人と合わせて7人の証人尋問が12月5、6日に実施されます。

 元同僚と上司は、男性の職場での過酷な労働実態をよく知る人たちであり、弁論終了後、遺族側弁護団の尾林芳匡弁護士は、「会社はこちらの証人申請にことごとく反対し、いかに職場のことを証言されたくないかということが明らかになった」と述べました。

 男性の母親は「労働実態を詳細に知っている同僚が証言してくれることはありがたいし心強い。働き方をなんとか変えて、若い人を長時間労働から守りたいという思いでここまでやってきた。裁判官が真実をきちんと受け止めてくれることを願っている」と語りました。