「しんぶん赤旗」2022/6/10

「協和商工」過労自死訴訟

 長崎県佐世保市の食品卸売会社「協和商工」に勤務していた男性=当時(25)=が自殺(2017年)したのは過重な業務が原因だとして、遺族が同社に対し謝罪と損害賠償を求め、提訴した裁判の第9回口頭弁論が7日、長崎地裁(古川大吾裁判長)でありました。

 男性は商品の納入や営業活動などに従事、14年12月には1カ月に少なくとも165時間の時間外労働を行い、精神障害を発症しました。

 会社側は、労災認定(19年)した労働基準監督署が認めた男性の精神障害の発症そのものを否定。仮にうつ病だとしても自死の恐れのある疾病だとは認められないと主張しました。
 弁論後の報告集会で白神優理子弁護士は「精神科医や医学の専門科、法律家が国の設置機関として専門家検討会を設けていて、そこで明確にうつ病の精神障害は自死の確率が高いと報告している。会社側の主張は医学的にも、確立している国の基準にも、これまでの裁判例にも反するもの」などと反論したと報告しました。

 多くの支援者が駆け付け、男性の母親は礼を述べ「これからも頑張ります」とあいさつ。県労連の鳥巣雄樹事務局長が「連帯し寄りそってたたかっていきたい」と語りました。