「しんぶん赤旗」2022/6/8

長崎県保険医協会が厚労大臣らに抗議文

 長崎県保険医協会(本田孝也会長)は6日、厚生労働省が「黒い雨」被害者を救済する新指針で長崎の「被爆体験者」を「黒い雨」に遭っていないとして除外した問題で、後藤茂之厚労相の国会答弁の内容に抗議し、被爆体験者の速やかな被爆者認定を求める文書を、後藤厚労相と岸田文雄首相に送付しました。

 後藤厚労相の答弁は、衆院厚生労働委員会で5月18日、立憲民主党の山田勝彦議員が「間の瀬地区に黒い雨が降った」という資料をもとに「この地区の住民はなぜ被爆者健康手帳をもらえないのか」と質問したのに答えたもの。「『被爆体験者』訴訟の判決では、間の瀬地区も含め、被爆地域として指定されていない地域では、原爆投下後間もなく雨が降ったとする客観的な記録はないとされている。これは最高裁の確定判決の事実認定である」とのべました。

 抗議文では「最高裁の判決文にはそのような記載は一切なく、そもそも『雨』という文字すら出てこない。これは高裁判決の文言を切り取って、あたかも最高裁判決であるかのように偽装した、悪質な最高裁判決の捏造(ねつぞう)だ」と批判しています。

 記者会見した本田会長は「大臣の立場でこのようなことを言っていいわけがない。なぜ長崎だけ手帳をもらえないのか。この問題はうやむやにはできない」と語りました。