「しんぶん赤旗」2022/3/25

長崎県保険医協会が抗議文
「黒い雨」の救済めぐる「新基準」を批判
 

 長崎県保険医協会(本田孝也会長)はこのほど、厚生労働省が「黒い雨」訴訟の原告と同じような事情にあったと認められる人への「新基準」を広島・長崎市長、各都道府県知事に通知(18日)したことを受けて、「被爆者認定基準通知による長崎の分断に抗議する」との文書を発表しました。岸田文雄首相、後藤茂之厚生労働大臣などに送付しました。

 抗議文では、国がかたくなに認定の対象を広島に限定したことについて、「同じように原爆にあいながら、広島では手帳がもらえて、長崎ではもらえないことは、耐えがたい精神的苦痛であり、原爆によって被った心の傷口に塩をすり込むに等しい」と批判しています。

 岸田首相が「長崎に黒い雨が降ったという客観的事実がない」など国会で答弁したことについて「間の瀬地区をはじめ、長崎にも原爆投下後に雨が降ったのは動かぬ事実」だと指摘しています。

 長崎では米軍の調査により広範囲に原爆の残留放射能が検出されているとして、「『同じような事情にあったと認められる者』というならば、長崎でも爆心地から12㌖を超えて、広島と同様に被爆者と認められるべきである」と訴えています。