「しんぶん赤旗」2022/7/9

「長崎被爆地域拡大協議会」が記者会見

 長崎県が原爆投下後の長崎でも「黒い雨」が降ったと結論付けた専門家会議の報告書を厚生労働省に提出したことを受けて7日、国が定めた地域外での被爆のために被爆者と認められていない「被爆体験者」でつくる「長崎被爆地域拡大協議会」(峰松巳会長)が会見しました。

 会見では、「説得力のある報告書で、歓迎したい」との見解を示し、「国は一刻も早く、長崎の体験者にも被爆者健康手帳を交付できるようにすべき」だと求めました。

 厚労省は、2021年7月の広島の「黒い雨」訴訟判決を受け、新たに原爆被害者救済基準を設けましたが、「長崎では黒い雨が降ったという客観的事実はない」などとして、長崎は対象外とされました。これに対し、長崎県・市は「受け入れられるものではない」と拒否。県は専門家会議を独自に設置。被爆未指定地域の証言調査の結果などを再検証しました。

 山本誠一事務局長は「広島は爆心地から30`で認められた。長崎は12`どころか7・5`でも認められない。こんなことが許されるのか」と憤り、「この報告書を足がかりに原爆被害の実態を明らかにし、被害がどこまで広がっていたかの調査も強めていきたい」と語りました。

 同会の調査研究部の大矢正人・長崎総合科学大学名誉教授が報告書の内容を紹介し、「画期的な報告書」と話しました。