「しんぶん赤旗」2022/5/14

「長崎被爆地域拡大協議会」が市に要請書提出

 国が定めた地域外で被爆したために被爆者と認められていない「被爆体験者」でつくる「長崎被爆地域拡大協議会」(峰松巳会長)は13日、「すべての原爆被害者に被爆者健康手帳交付を求める要請書」を田上富久・長崎市長あてに提出し、国に要請するよう求めました。

 要請書では、国が広島高裁「黒い雨」判決を受け入れたにもかかわらず、閣議決定で、健康への影響を「広く認めるとした点は容認できない」と判決の内容を否定し、長崎の被爆体験者を切り捨てたのは言語道断だと批判。▽広島高裁「黒い雨」判決をふまえ、県外居住者や被爆時胎児も含むすべての「被爆体験者」を被爆者と認定すること▽爆心地から半径12`圏内を被爆地域に是正すること―など5項目を求めています。

 応対した前田孝志・原爆被爆対策部長は「黒い雨問題に関しては、広島と長崎で黒い雨にあった方に差が生じることがないように協議を続けている」と答えました。

 戸石村(現戸石町)で6歳の時被爆した林田富雄さんは「黒い灰が農作物一面を覆いつくした」と当時の状況を語り、「地域の人も20代30代でがんや様々な病気で亡くなった。もう時間がない」と訴えました。

 山本誠一事務局長は「灰は放射性微粒子を含み、広範囲に広がり被害が起こっていることも強調してほしい」と求めました。