「しんぶん赤旗」2022/11/24

「長崎被爆地域拡大協議会」が証言調査

 国が定めた地域外で被爆したために被爆者と認められていない「被爆体験者」でつくる「長崎被爆地域拡大協議会」は18日、長崎市で事務局会議を開き、島原半島など遠距離での原爆被害の実態を調査した結果を、原水爆禁止長崎県協議会の大矢正人代表理事が報告しました。

同会は、これまで被爆地域と認めるよう求めてきた爆心地から12`より以遠の島原半島にまで原爆の影響が及んでいることが米マンハッタン管区原爆調査団の調査結果からもわかるとして、その原爆被害の実態を明らかにする取り組みを今年度から始めています。

大矢氏は、原爆投下時、爆心地から37`の旧北有馬村(現在の南島原市)にいた故五島久嗣さん(当時国民学校4年)の「白と黒のススの混じった燃えかすのようなものが降ってきて私と兄はそれをかぶった。兄は29歳で亡くなった」との証言を紹介。9月と11月には島原半島などで聞き取り調査を実施し、「あたりがピカッとひかり、ちりやほこりをまとった雲が流れてきて太陽が真っ赤な梅干しのように見えた」などの証言も報告しました。

「音や光などの証言がここまであるとは現地に行ってみて初めて知った。原爆の影響範囲などを調べ直し確定させたい。爆心地から30`まで認めた広島高裁判決などをふまえ、すべての原爆被害者を被爆者と認定させる取り組みを強化していきたい」と今後の課題を提起しました。