「しんぶん赤旗」2021/

総選挙 変える選ぶ
長崎県の定時制高校生 吉村ゆうさん(20)=仮名=

「ジェンダー平等」の党 応援したい
差別ない社会へ法整備の実現を

 吉村ゆうさん(20)=仮名=は戸籍上は男性のトランスジェンダーです。ジェンダーと気候変動の問題に関心があり、各党の政策を調べるうちに日本共産党を支持するようになりました。田村貴昭九州・沖縄比例候補の宣伝に遭遇し、日本民主青年同盟の長崎県委員長の呼びかけで、その場で民青に加盟しました。「演説の余韻に浸っていたら、声をかけられ驚いた。でも誘ってくれてよかった」と振り返ります。

気持ちに光が
 「ジェンダー平等を掲げる共産党の政策を見たとき、これこそ求めていたものだと確信した。私のように苦しんでいるたくさんの人の救いになると感じ、気持ちに光が差し込んだ」―。
 幼いころから自身の性に違和感を抱いていました。ネットで調べ自分がトランスジェンダーであると気づきました。しかし「男らしいほうがいい」という風潮があり、心に鎖をかけます。誰にも相談できず、出口のない迷路に、ただ一人置いて行かれてしまったような孤独な日々。成長期には、望まない方向に体が変わり、気分がグッと沈むことが続きました。
 勉強は好きでしたが、制服が嫌で中学校にはほとんど通えませんでした。進学率の高い男子高校に入学したものの、「からかわれるのではないか」という不安などから半年で中退。スーツを着なくていい介護職に就きました。
 「やりがいがあって楽しかったけれど、ずっと人や自分にうそをついているようだった」。仕事を辞め、学びなおそうと定時制高校への入学を決意。その際、家族にトランスジェンダーであることを打ち明けました。
 家族は受け入れてくれ自分らしく生きられるように。「隠していたときは何をしても、心の底から楽しむことができなかった」と語ります。
 「もっと言える雰囲気をつくっていきたい。私から話すと『実は自分も…』と告白してくれる人が多い。だから隠すのをやめた」。黒く吸い込まれそうな瞳をまっすぐ向け語ります。

 「政治の力で」
 「共産党の政策を読んだとき『政治のアプローチの仕方もあるんだな』って。個人の行動には限界があるけれど、まだまだ動けると思った」。LGBT平等法の実現など差別のない社会への法整備を求めます。
 民青では食料支援活動に参加。「受け取った人がみんな笑顔で帰っていく。役に立てたんだなと思うとうれしかった」とほほ笑みます。
 軍事費の問題やケア労働の処遇改善、学費の値下げなど「党の政策と自分の考えはほとんど一緒で、違いを見つけるほうが難しかった」と吉村さん。「今の政治は変えたいところがたくさんある。だから共産党を応援したい。私もやれることをやっていきたい」