「しんぶん赤旗」2021/11/14

総局日誌 長崎県

2007年に当時の長崎市原爆被爆対策部長(故人)から取材中に性暴力を受けたとして、女性記者が市に対し、損害賠償と謝罪を求めた訴訟の証人尋問を傍聴しました。

 女性の職場の支局長(当時)は、事件前の女性の働きぶりについて「まじめで積極的。夏休みには自前で米国に渡り、原爆直後の写真を発表したカメラマンを取材するなど、非常に意欲的だった」と証言しました。

 しかし、女性は事件発生後、PTSDを発症し、休職に追い込まれ、14年たった今も記者として復帰できていません。

一方、田上富久市長や当時の市職員らは、どこまでも被害女性に責任をかぶせようとする証言に終始しました。

 女性が裁判に訴えるまでに12年かかりました。「#MeeToo」を始め、世界中に広がるジェンダー平等を求める運動が、彼女の背中を押したのではないでしょうか。彼女の勇気ある行動は、今度は多くの女性を励ましています。勝利までともにたたかっていきたい。

(長崎県・前川美穂)