「しんぶん赤旗」2021/11/2

長崎市「市民大行進」 市民400人が参加

 国連軍縮週間に呼応して毎年行われている「市民大行進」が30日、長崎市でありました。今年は、1972年の開始から50年目となり、核兵器禁止条約発効後、初めての行進です。「世界平和祈念行事実行委員会」(会長=田上富久市長)の主催。

 昨年に続き、新型コロナウイルス感染予防のため規模を縮小し、市民400人が行進しました。小学生や被爆者5団体のメンバーも参加し、平和祈念像前(平和公園)から爆心地公園まで、平和の象徴である鳩の形をした風船を手に歩きました。

 平和公園での出発式で田上市長は、禁止条約の発効で新しい時代が始まったと強調し、「核をめぐる状況は複雑だが、長崎市民はこの50年間、世界平和を願い長崎の街を歩き続けてきた。今日もそういう思いを胸に力強く歩いていこう」とあいさつしました。

 爆心地公園に到着後、原爆が投下された午前11時2分、全員で黙とうし、秋空にいっせいに風船を飛ばしました。

 長崎市立緑が丘中学校の生徒らが考えた「未来のために考え続け、学び続け、対話し続け、平和のために発信を続けていく」との「市民大行進宣言」を同校の生徒3人が読み上げました。

 被爆の語り部をしている田中安次郎さん(79)は歩き終え、「これからも、被爆の実相を子どもたちや多くの人たちに伝えていきたい」と話しました。