「しんぶん赤旗」2021/2/17
長崎市性暴力裁判 非公開の弁論準備手続き
 2007年に長崎市原爆被爆対策部長(故人)から取材中に性暴力を受けたとして、女性記者が同市に損害賠償を求めている訴訟の非公開の弁論準備手続きが15日、長崎地裁でありました。その後、弁護団による報告集会が長崎市内で開かれました。

 集会には新聞労連の吉永磨美委員長がオンラインで参加し、「原告女性は、裁判が進む中で生きる力が膨らんできている。支援を続けていきたい」と挨拶しました

 弁護団からは「被害を受けた際、泣きわめかなかったなど原告にも過失があり、部長は暴力も振るっていないとして、被告市は慰謝料の減殺を主張している。市は『強姦神話』に浸かっている。原告側は損害の証拠を提出する予定」だと報告がありました。

 その上市は、加害部長に死後20日程度で退職金を支払っており、「部長に非違行為がなかったと市民に連想させたことは、さらに原告を追い詰める結果をもたらした」と告発しました。

 弁護団は、田上富久市長、当時の秘書課長と原告女性の証人尋問を要求し、尋問が終われば年内にも判決が出る見通しであることを明らかにしました。

 集会に参加した女性は「市は女性に謝罪して欲しい。女性が声を上げてくれたことで社会を変えていくことにつながっている」と語りました。