「しんぶん赤旗」2021/4/13
日本郵便訴訟 長崎地裁で和解
 日本郵便に勤務する長崎市の契約社員4人が、正社員と同等の仕事をしながら、各種手当や休暇が付与されないのは不合理な格差を禁じた労働契約法20条に違反するとして、同社に格差是正を求めた訴訟が長崎地裁で和解しました。3月30日付。同社が解決金として4人に計約130万円を支払います。

 提訴したのは郵政産業労働者ユニオン(郵政ユニオン)の組合員です。全国7地裁に計154人の契約社員らが起こした集団訴訟の一つで、和解の成立は初めてです。

 日本郵便の待遇格差を巡っては、別の訴訟で昨年10月、最高裁が扶養手当や有給の病気休暇などを支給しないのは不合理だと認める判決を出しています。

 和解を受けて、原告の原田芳博さん(59)は「裁判の解決金は原告だけにしか支払われない。それでは自分たちの思いからはズレている。和解条項に『期間雇用社員の待遇改善に真摯(しんし)に務めることを表明する』との文言が入ったことの意義は大きい」と力を込めました。

 原田さんは、同社がこのことを表明したことで全国の仲間の待遇改善の力になるとし、「夢や希望を持って仕事ができるということがとても大きな成果」だと語りました。

 裁判を支援した郵政ユニオン長崎中郵支部の向井宏副支部長(52)は「一番厳しい労働条件にある期間雇用社員の待遇が改善されれば、非正規社員全体の底上げになる」と話しました。