「しんぶん赤旗」2021/5/19
長崎市幹部職員性暴力裁判 田上市長の証人尋問採用
 2007年に長崎市原爆被爆対策部長(故人)から取材中に性暴力を受け、その後市幹部によって虚偽のうわさを流され二次被害に遭ったとして、女性記者が市に対し損害賠償と謝罪を求めた訴訟の非公開の弁論準備手続きが18日、長崎地裁でありました。地裁は田上富久市長らを証人として採用することを決めました。

 市の関係者の証人は田上市長と、当時の秘書課長、人事課長の3人で、原告関係者の証人は、当時女性が所属していた会社の同僚記者と支局長、原告女性本人です。前回、原告側が申請していたもので、弁論手続き後のオンラインでの支援者集会で報告されました。

 市関係者の証人が全員採用されたことについて弁護団は「今回の事件に深く関与している幹部で、裁判所も必要性を認めた。こちらの主張が認められる一歩になっているのでは」と語りました。

 女性が所属する新聞労連の吉永磨美委員長は「彼女のように生きる希望を奪われ、職場を去っていった多くの仲間たちがいます。この事件は氷山の一角です。この裁判に勝たなければ、記者としての職業の否定になる。この女性記者の人生が否定されることになる」と訴え、引き続き支援をと呼びかけました。

 市の関係者尋問は10月4日、原告関係者尋問は同月18日です。