「しんぶん赤旗」2021/11/11

全在外被爆者救済を 長崎で原水禁議長が証言


 「子どもからお年寄りまでみんなで平和を考える」を基本に、「みんなの平和学習会」が9日長崎市内で開かれ、被爆者で原水爆禁止日本国民会議(原水禁)の川野浩一共同議長が被爆体験を語り、オンラインで配信されました。
 川野さんは、父親が召集され、家族で移住した北朝鮮と中国の間にある地域で生まれました。「おやじは、警察官として赴任し、現地の人々を殺したことや強制連行したことを酔っ払っては独り言のように語っていたため、被爆者ではあるものの、戦争の加害者であることを意識するようになった」と語りました。
 戦争が激しくなり、家族は母方の実家のある長崎に戻り、8月9日の原爆投下に遭います。
 「ピカもドンも記憶にない。その夜は長崎の町が真っ赤に燃えていました」と自身が描いた絵を示しながら語りました。
 県庁職員で労働組合に関わるなかで、核兵器禁止運動や被爆者運動に参加したことを紹介しました。
 現在81歳。5年前に食道がんを患いました。最後に「韓国の被爆者は在外被爆者援護法により救済されるけれど、北朝鮮の被爆者は放置され続けている。この問題や強制連行などの問題を解決すれば、新たな関係がつくれる」と述べました。
 この企画は被爆者を招き、毎月9日に開催しています。