「しんぶん赤旗」2021/7/23
「子どもの権利オンブズパーソン」が長崎県に提言
 2017年に長崎市の私立海星高校の2年男子生徒が自死した問題で、NPO法人「子どもの権利オンブズパーソンながさき」は20日、提言と意見書を中村法道知事宛てに提出しました。

 この問題では、学校側が設置した第三者委員会が「同級生のいじめが自殺の主要因」とした報告書を提出しましたが、同校は「根拠が示されていない」などと受け入れを拒否し続けています。

 提言では、学校側が第三者委員会の報告書をいまだに受け入れていないのは、男子生徒の権利侵害にあたるとして▽権利侵害を速やかに解消するための対策の検討▽報告書を正規の資料として取り扱うことや対策を考えるにあたり子どもの意見表明権を保障する▽子どもの権利侵害防止につなげるためにも全県的に「子どもの権利条約」の周知・啓発に力を注ぐ―などを求めています。

 応対した県学事振興課の門池好晃課長は「学校とも共有し、どういった対応ができるか検討したい」と答えました。

 その後の会見で同会の安達和美理事は「亡くなった生徒の思いが反映された報告書をこのまま無かったことにするのは権利の侵害にあたると伝えたい」と語り、古豊慶彦代表理事は「県全体でこの問題から学び、子どもの権利について考えてほしい」と話しました。