「しんぶん赤旗」2021/7/3
石木ダム建設現場で特定外来生物「ナルトサワギク」が繁茂
 長崎県と佐世保市が川棚町に強行しようとしている石木ダム建設事業で、県道の付け替え道路の工事現場周辺に防除の必要な植物が大量に繁茂している問題で1日、市民団体が防除をしない県に抗議し、ただちに防除するよう求めました。

 植物は、特定外来生物で家畜に有害とされる「ナルトサワギク」。6月4日に「石木ダム建設に反対する川棚町民の会」が、繁茂し続ければ「長崎和牛」で有名な川棚町の畜産業に悪影響を及ぼすとして、防除や種・根などが含まれる可能性のある工事用部材の持ち込み・使用禁止などを申し入れていました。しかし県は期限までに回答しませんでした。

 県庁を訪れた「川棚町民の会」など3団体の約20人は、回答しなかったことに厳しく抗議。土木部河川課の担当職員は、「県として回答するとは言っていないし、今後も回答はしない」と言い放ちました。

 「川棚町民の会」代表で水没予定地に暮らす炭谷猛氏(70)は「回答しないと言うのは県民無視ではないか。なぜ回答しないのか」とただしましたが、職員は「理由はありません」と切り捨てました。

 参加者から「申し入れから1カ月も経っているのに、県は何ら手を打っていない。その間にどんどん広がっている」と抗議の声が上がりました。