「しんぶん赤旗」2021/10/23

石木ダム工事差し止め訴訟福岡高裁判決


 長崎県と佐世保市が川棚町に強行している石木ダム事業をめぐり、地元住民ら約400人が、県と同市に対し、工事の差し止めを求めた訴訟の判決が21日、福岡高裁でありました。

 森冨義明裁判長は、原告住民の請求を棄却した一審長崎地裁佐世保支部の判決を支持し、控訴を棄却する不当判決を言い渡しました。原告側は上告する方針です。

 原告住民は、必要のない工事によってふるさとを奪われ、平穏で快適な生活を営む「平穏生活権」が侵害されると主張。これに対し判決は、一審同様、「権利の主体も抽象的で不明確。工事の差し止めの法的根拠になるものではない」と訴えを退けました。 

 住民側は、8月の豪雨を専門家が検証し、100年に1度の大雨でも洪水は起きないことが明らかになったとして、同高裁に審理再開を求めていましたが、無視されました。

 森冨裁判長の判決言い渡しでは内容の説明など一切ありませんでした。判決後の報告集会で、馬奈木昭雄弁護団長は「本気で国民に説明を尽くす姿勢が全く感じられない」と厳しく批判しました。

 工事現場での座り込みがあるため、原告住民からは岩下和雄さん(74)のみが参加。「水(利水)の問題には一言もふれずに審理を進め行政の言いなりではないか」と憤り、「これからもダムは必要ないとたたかいを続けていきたい」と決意を語りました。