「しんぶん赤旗」2021/1/13
石木ダム建設に反対 座り込み1000回

 長崎県と佐世保市が川棚町に計画する石木ダム建設をめぐり、反対する地元住民らが続ける抗議の座り込みが、12日で通算1000回になりました。日本共産党のまじま省三衆院九州・沖縄ブロック比例候補は、座り込み現場に駆けつけました。

 前日まで大雪が続いた長崎県。この日も厳しい寒さの中、支援者を含め55人が集まりました。まじま氏は、強制収用反対と書かれたゼッケンをつけ、住民らと交流しました。

 石丸勇さん(71)は、県が年度内にダム本体工事の着工を狙っていることに対し「普通のダムは付け替え道路工事が完了してから本体工事に入る。まだ住んでいるのに本体工事を始めるなんて、私たちを物のように扱かっている」と怒りを口にしました。

 まじま氏は、衆院議員時代、「地元住民の人生を丸ごと奪うことになる」と大臣を質したら答えることができなかったと紹介。住民から「やはり、選挙で変えないと」との声に「野党は個人の尊厳を大事にする政治を目指している。今度の衆院選で政権を変えることがダムをやめさせる道です」と応えました。

 石木ダムをめぐっては、水没予定地に暮らす13世帯約50人の土地・家屋が県によって収用されてからまもなく1年2カ月。すでに名義はすべて国に移っており、中村法道知事は、家屋などを強制的に撤去できる行政代執行も「選択肢として排除しない」と公言しています。

○支援の輪 全国から抗議

 12日で1000回となった石木ダム反対の座り込み。座り込みが行われているのは、ダム建設により水没する県道の付け替え道路工事現場。県が工事に着手しようとした2010年3月から始まりました。その後、工事の中断などに伴い断続的に実施され、住民らによると16年7月から現在の「第4次」座り込みが1000回となったものです。

 17年に県は、休日の早朝や未明に抜き打ちで重機の搬入を強行。座り込みもゲート前から工事現場へと移っていきました。岩永正さん(69)は「重機の下に潜り込んで抗議していたら、両足を引っ張って運び出されズボンも破れ、県の職員がここまでするのか」と憤りました。付け替え道路は全長約3・1`。工事は進んでいますが、住民らが座り込んでいる付近約140bの区間は手つかずのまま。工期を3度延長していますが、昨年12月、県は4度目の工期の延長を断念しました。

 座り込みは日曜日以外毎日実施されます。岩本菊枝さん(71)は「定年退職したら座り込みが定職になった。無給でね」と皮肉ります。TBSの報道特集などメディアが取り上げたことで支援の輪が広がり、佐世保、福岡、全国から抗議行動への参加が。「支援の方が毎日来てくれてがんばることができます」