「しんぶん赤旗」2021/12/14

石木ダム工事現場で県が次々と強権的な行為

 長崎県と佐世保市が川棚町に建設を強行している石木ダムの工事現場で9日、県は地元住民らが座り込みのために使用するトラックを通さないよう新たな盛り土を始めようとしました。住民らが抵抗、抗議し作業はひとまず中止されましたが、県は住民らを座り込みの現場から追い出そうとやっきになっています。

 座り込み現場は、高く積みあげられた盛り土に囲まれ、その上で重機がうなりを上げています。

 住民の岩下すみ子さん(73)らによると、11月30日にひどい雨で住民らがテントをたたみ、現場を後にすると、県はテント1張りを立てていた場所にトラック10台で大量の土砂や石を運び込みました。テントがあった場所はネットで囲われ、住民は残った1張りのテントを固定し座り込みを続けていました。

 さらに9日に座り込み現場に続く道の真ん中(端から1・6b)にネットを立てるための白線を引き、トラックを通さないよう新たな盛り土作業を始めようとしたものです。

 中村法道知事は6日の県議会で日本共産党の堀江ひとみ県議の質問に「話し合いを拒否するという考えではない」と答えましたが、工事現場では横暴なやり方が続いていました。

 県の職員は、毎日監視のため1時間おきぐらいにやってくるといい、岩下さんは「こんな状況の中での抗議行動を多くの人に見てもらい、ともに参加してほしい」と語りました。