「しんぶん赤旗」2021/5/20
石木ダム 県が地元住民の田んぼの農道に土砂積み上げ
 長崎県と佐世保市が川棚町に強行しようとしている石木ダム建設事業で18日、関連工事をすすめている業者が、住民らの田んぼに続く農道にトラックで土砂を運び積み上げました。気が付いた住民が連絡を取り合い約20人が駆けつけて抗議、作業を中止させました。

 県は現在、地質調査の機材を搬入するための進入路を造るため、石木川沿いを掘削し始めました。そのため、地元住民らは、付け替え道路工事現場と石木川沿いの二手に分かれて座り込みをしています。

 同日午前、地元住民の岩永正さん(69)が田んぼの作業を終え、車で帰った直後、業者が農道での作業を始めました。

 水没予定地に暮らす13世帯の家屋と田畑などは、2019年に強制収用されていますが、住民らは変わらず農業も続けています。

 石木ダム建設事務所長は「ここは国の土地だから」と繰り返し、大型の重機まで持ち込もうとしました。

 岩永さんは、まもなく田植えを始める予定だと言い、「農道をふさがれたら百姓ができなくなる。まるで嫌がらせだ。(中村法道)知事は話し合いをと言うが、これで話し合いなんかできるわけがない。知事は口ばかり、ポーズばかり」と怒りの声を上げました。