「しんぶん赤旗」2021/2/25
石木ダム工事 地元住民が身を挺して工事を中止に
 長崎県と佐世保市が川棚町に計画している石木ダム建設事業で、県はダム本体工事に先立つ県道の付け替え工事を強行しようと24日、座り込みを続ける住民や支援者の目の前に重機やダンプカーで大量の土砂を投入しました。20人ほどの県職員が立ちふさがる中、男性住民らが重機の前に座り込み、工事をストップさせました。

 石木ダム建設事務所長に住民らが厳しく抗議すると、所長は警察に通報し現場は一時騒然となりました。「県は話し合いをしようと言いながら警察を呼ぶなどおかしいだろう」と、住民の石丸勇さん(71)は怒りをぶつけました。

 土砂投入は住民らが座り込みをする約140bの区間の盛土工事のためのもの。本体工事の年度内着工も狙う県は、今月上旬から工事現場に巨大な土のうを持ち込でいました。この日は午前10時20分ごろ、座り込みが続く中、重機3台、ダンプカー2台で大量の土砂を運び込みました。

 中村法道知事は、昨年県議会で日本共産党の堀江ひとみ県議の質問に、住民らとの話し合いの可能性に言及していました。「工事を強行すれば話し合いはできない。県は『強行ではない』というが、警察を呼んだ。私たちは『絶対反対』を貫くしかない」と石木ダム建設絶対反対同盟の岩下和雄代表(73)はきっぱり語りました。

 知らせを聞いて駆けつけた岩下すみ子さん(72)は「私たちがこのくらいで諦めるわけがなかたい」と力を込めました。