「しんぶん赤旗」2021/6/9
石木ダム 県の協議申し入れに住民が回答
 長崎県と佐世保市が川棚町に強行しようとしている石木ダム建設事業を巡り、県が水没予定地に暮らす13世帯の住民に、話し合いのための協議を申し入れたのに対し、住民側が4日付で回答しました。住民らは「工事を即時中断し、穏やかな環境で話し合いに臨みたい」と求めています。

 回答文書では「中村法道知事は話し合いを望むといいながら、現地では工事の強行が常態化し、夜間や早朝の工事も強行され、住民とのトラブルも発生している」と指摘。県の協議申し入れ後も、「私たちが帰った後に重機を搬入するなど、話し合いを呼びかけているとは思えない行動をとってきた」と批判しています。県のこのような行動に対し「憎悪と怒りしかない」とし、「本当に話し合いを望むなら、工事を即時中断し、話し合いのできる環境をつくっていただきたい」と訴えています。

 水没予定地の住民の岩下すみ子さん(72)は「ここに住み続けたい一心で抗議行動を何十年も続けてきて、県へは不信感だらけです。ダム建設をやめさせるという気持ちは変わりません」と語りました。

 県は5月21日、水没予定地の住民に対し、6月上旬に知事との話し合いを進めるための協議の場を設けたいと、文書で申し入れていました。